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体と心の発達と大人の配慮

人生で最も大きな成長をとげる時期。0~12ヶ月

大きな愛でつつみます。

私たちが行っている子育ては、小学校へ上がるまでの間という短い発想の中だけのものではなく、0歳から大人までずっと流れている育ちを見つめています。子どもにはどんなふうに育ってほしいのか、どんな大人になってほしいのかという願いを持つことが、保育者にはとても大切になります。大人になり自分で生きていけるようになるために社会へ適応していく、つまりは人格を形成するスタート地点が乳幼児期だと考えると、たっぷりと愛情を注ぎ、しっかりと受けとめてくれる大人がいて、子どもたちが自分からあそび、考え、行動することができる子育てを行わなければなりません。それは、保育園だけではなく、家庭との共有があってこそ、健やかな成長となっていくといえます。子どもの育ちと関わりを知ることから一緒に始めましょう。

●目と目を合わせたコミュニケーションを

子どもは「眠い」「お腹がすいた」「オムツがぬれた」というような生理的な不快感を泣くことによって表し、それに対して大人が「おなかがすいたの?」などと応える。これが社会的応答です。すばやく適切な対応をとることにより、お互いの間に心の結びつきや信頼関係がうまれてきます。そのため、普段から、必ず目と目を合わせて語りかけるなどのコミュニケーションを重ねて、子どものサインを敏感にキャッチできるようにします。

 

自分で広げる外界

はいはいすることにより、興味・関心のあるところで移動できる喜びを味わいます。そしてはいはいすることによって腹筋や腕、足の筋肉がつき、全身運動の発達を促します。

信頼する大人と一緒に

コミュニケーションをとるのに多く使われている「泣き」という行為が少なくなります。指差しや気持ちを表すしぐさを身につけたことで、泣かなくても自分の意志を伝えられるようになります。

 

自分の力で歩き出す時期だから。1歳

自分でしようという気持ちを大切にします。

自分でできることが増えるにつれて、何でも「自分で!」「やりたい」という気持ちが出てきます。
言葉ではうまく表現できず大声で泣き暴れることもありますが、大人は後ろからそっと手を貸すことが大事です。

●ストレートな感情をぶつける

言葉の面では1ヶ月に1~3の単語が継続的に増えるようになります。大人からの簡単な要求も理解するようになります。大人からの簡単な要求も理解するようになります。感情の動きは少しずつ複雑さを増して豊かになります。怒る・喜ぶ・反抗する・嫉妬する・すねるなどの人間らしい感情が発達して、それをストレートに大人にぶつけてきます。これはいろいろな感情表現によって大人の関心を引こうとしているのであり、好きな人を独占したいという気持ちの表れでもあります。
●見守れれているという安心感の中で探索活動が活発になる

つかまり立ちができ、自分の足で歩けるようになるときです。大人に頼らずに自分の意思で移動できるというのは、大きな変化です。自由になった手でものにふれてみたり、「いたずら」も盛んになります。こうした探索活動では、落ちたら危ない高さのものは用意しない等、危険のない環境づくりが大切です。


 

受動的な世界から感動の世界へ

1歳児は自分で歩き出す時期です。直立二足歩行の確立、道具の使用、ことばの獲得といった大きな変化がみられます。これらが互いに深く結びつき「自分で…」が強くなってきます。その気持ちを十分に理解し、満たしてあげられるよう援助しています。

一人ひとりの気持ちを受け入れます
自分の欲求の表現がまだまだ未熟なので、大声で泣く・拒否・かみつきなど、大人を困らせることが多くなります。子どもも混乱していることを理解し、受け入れることが大切になります。
無理強いしない
食欲や食事の好みにより偏りが現れやすい時期ですが、味覚・嗅覚・触覚の発達により食べ物に対する好き嫌いが出てきて嫌いな物には強い拒否反応を示します。無理強いせずに食事の楽しさを感じさせることが大切になります。



大人の手を借りず「自分で!」2歳

自我の芽生え期。


運動機能が発達し、自分の動きをコントロールできるようになります。また、自我が芽生え、自己主張が強く反抗的な第一次反抗期にさしかかります。

●行動範囲の広がりが思わぬ事故に…安全に十分な注意を

歩く・走る・跳ぶという基本的な運動能力の発達が著しく、ぐんぐんと行動範囲を広げていきます。それだけに、衝動的に飛び出したりといった事故も起こりがちです園庭や公園などで、子どもたちが自由に動きまわれる安全な空間や十分な時間を、用意してあげる必要があります。
●大人と一緒に簡単なごっこ遊びができるようになる

目の前にないものを思い起こすことができ、記憶しているものを再現できるという象徴機能が発達してきます。そのため、1歳後半くらいから○○になったつもり、ふりをするといったごっこ遊びがさかんになります。しかし、これもまだまだ大人たちの見守りがあって成立するもの。しっかりした関わりが必要です。



子どもとの関わりを求める

行動はより自由になり、行動範囲も広がり他の子どもとの関わりを少しずつ求めるようになります。新たに体験した喜びや感動、発見を大人や友達に伝えようとし、一緒に体験したいと望むようになります。何でも自分一人でやろうとしますが、すべてができるわけではなく、また自分の思い通りに受け入れられるわけでもないので、大人や友達との自我の順調な育ちであることを理解して、気持ちを受け止め、さりげなく援助することが大切になってきます。

仲立ちをします
友だちに関心を持ち、一緒に遊ぶようになりますが自己主張が強いため、すぐけんかになってしまいます。たたく・ひっかく・かみつくといった短絡的な行動が多く、泣き声が絶えませんが、子どもの行動には理由があることを理解し、その行動を見ただけで一方的に叱ることは避け、仲立ちをしながら関わり方を知らせていきます。
  一人遊びから二人遊びへ
この頃は一人遊びが中心ですが、人と関わることの楽しさが少しずつ分かってくる時期です。まだ集団遊びには至らず、お店屋さんごっこの店員とお客さんなどという2人の関係です。しかし、この時期は両方の役割を1人で演じてゴチャゴチャになったりするので、大人が役割をきちんと分けてあげたほうがスムーズでしょう。

  覚えることができる
言葉がますます増え、表現も豊かになります。過去形など一定の文法を使って、簡単な文章を作れるようになります。コミュニケーションが取れるので、大人としても楽しくなる時期です。



人との関わりの中で成長する時期。3歳

なぜ?どうして?言葉の広がり。

「依存から自立」へ、「受動から能動」へと移行していく時期です。なんでも自分でやりたがり、「他人とは違う自分」を主張する行動も多くなってきます。

●「なぜ?」「どうして?」
基本的な生活習慣が身につき、さらに知的な好奇心がぐんぐん生まれてきます。その証拠が「なぜ?」「どうして?」などの質問が増えることです。これまで知らなかったことを安心できる大人に尋ね、興味を持ったものを通して、新しい世界の知識を増やしていきます。
●「自分でやった!」という満足感
食事や排泄については、かなり自立が進みます。しかし、まだまだ上手にできない場合も多く、援助しすぎてしまいがち。失敗してもいいから、「自分でやった!」という満足感を、子どもが感じられることが大切です。
じっくり待つ忍耐をもって対応しましょう。


セルフコントロールで広がる世界

今まで何かにつけ大人に頼っていましたが、その関係を中心にして一人で独立して行動しようとし、自我がよりはっきりしてきます。友だちとのふれあいの中で分け合ったり順番も守れるようになり、身の回りの大人の行動や日常の経験を再現して、より発達性のあるごっこ遊びも見られるようになります。また、先の見通しを持って行動したり、相手の思いも分かるようになってきます。自我がはっきりしてきますが、上手く行動に表せないところもあるので、一人ひとりの発達に注目し、優しく受け止める配慮がとても大切になります。

ごっこ遊び大好き

注意力や観察力が備わり、大人の行動や日常経験していることを取り入れたりして、これまでのごっこ遊びよりも発達性が見られるようになります。遊びをより豊かにするためには、お手伝いをしてもらいながら生活の場面を見せることが大切です。お手伝いを喜ぶ時期ですので、料理をするところを見せ、どうやって作るのか教えてあげると生活の体験が増え、ごっこ遊びはいっそう楽しいものになりそうです。

言葉の発達

この時期は自分と親密な人との会話を通してコミュニケーションが深められていくという特徴があります。言葉の発達は、家庭における親との人間関係の影響が大きいのです。
3歳児はあせって物を言おうとすると「えーっと、えーっと。」となかなか言葉が出てこないことや「ぼ、ぼ、ぼく。」とどもったりするので、大人は落ち着いて余裕を持った態度で聞くようにします。その雰囲気によって子どもは安心し、コミュニケーションへの意欲を持つようになります。間違いをうるさく訂正したり、不完全な幼児音を注意したりすると、話さなくなったりと発達を遅らせることになります。大人との対話を楽しむことが大切です。



仲間をくぐって自分に気付く。4歳

みんなといると楽しいな。

自分で体をコントロールできるようになり、運動量もぐんと増えます。精神的にも、友だちや保育士など、人の存在をしっかり意識できるようになって、その中での社会性を身につけていきます。 

●自意識が芽生えるとき
身近な大人や友だちに見られていることを意識して、行動することが多くなります。保育士をはじめとした大人たちが、自分や友だちに優しく接している姿から、他人に優しくすることの心地よさなども学んでいきます。人間としての「優しさ」「強さ」などの感情が豊かになるときです。




●ほかの生き物や無機物にも、「心」があると感じる
命のない石にも人形にも、人間と同じように心があると思う幼児時期特有の思考がこの時期の特徴です。人形や花と話したり、絵本の中の登場人物をかわいそうに思ったりします。友だちの「心」にも気付いて、友だちを大切にしたいという気持ちを生じてきます。


多様な人間関係の中でこころを育む

しっかりと自我が育ち、自分と他人の区別がはっきりしてきます。また、周りが見えるようになってきて、人に見られているという自意識も芽生えてきます。そこで、自分の思ったようにできないかもしれない…という葛藤も経験するようになります。友だちとのつながりも強まりますが、その分喧嘩も多いです。その中で少しずつ自分の気持ちを抑えたり我慢もできるようになっていきます。発達や生活経験に個人差もでてくるので、集団の中の個人も大切に大人の温かいまなざしが更に必要になってきます。

多様な人間関係

友だちと一緒に行動することに喜びを見出せるようになります。3歳児に比べると生活に現れてきて、関わりを持つべき相手・人物は多様(複雑)となります。多様な人間関係の中で遊んだり、喜んだり、譲ったり、話し掛けたりなど様々なかかわりを持ち、その存在を気づかせ、いたわりのこころを育みます。

自意識の芽生えと不安

自分が他人にどう見られているか気にするようになったり(=自意識)自分をコントロールできるようになります。自分を認めてほしいという欲求の強い時期ですので、励まされるとがんばり、期待されるとそれにこたえようと努力します。できないことに対してすぐに「イヤ!」とは言えず、我慢してやろうとするのです。そのため、心の中で「やりたい。でもできるかな…。」と不安になり、欲求と我慢の間に葛藤が生じやすくなります。突然、今まで自分でできていたことに対して「できない…やって。」と言い出すことや「保育園にいきたくない。」と言い出してしまうことがあるかもしれません。そんな時はもしかすると、我慢の限界に来ているのかもしれません。子どもが認めてもらいたくて「見てみて!」といっている時は、大いに認め、褒めてあげてください。ただそれ以上に「がんばりすぎているのではないかな?」と感じたら少し様子を見てあげましょう。子どもの心の中の微妙な変化にも気をくばり、サインを見逃さないようにしてあげてください。

自分なりに目的を持って自己発揮する。5~6歳

自分で考え、自分で行動。

身辺の自立もほぼ確定してきて、よいこと、悪いことなどを自分で考え、判断する力も芽生えてきます。数人の友だちと楽しく遊び、強調していくこともできるようになります。また、知識の吸収も急速です。 

●興味にそったあそびや環境を用意する
この時期になると、ある程度道筋を立てて話せるようになります。文字に対しても興味の出てくるときで、自分の名前を読んだり、書いたりすることが楽しい時期です。しりとりをしたり、絵手紙を書いたり、興味にあった遊びを用意していきましょう。
●自分の頭で考え、決めて行動する機会を増やす
どうしてそれをすると先生やおうちの人にしかられるのか、ただ言われるままに従うのではなく、自分の頭で考えられるようになります。そんな時期だからこそ、ものごとのきまりやしくみをきちんと説明することも大切です。納得できれば、いやなことも少しはがまんすることができます。
 

集団での活動や生活が充実してくる

日常生活上の基本的な習慣は、ほとんど自分が一人でできるようになります。物事に対して自分で判断できるようになり、好きでないことでも少しは我慢して、他人の役に立つことを喜ぶようになります。遊びや生活の中できまりを守ることの大切さを理解して、守ろうとします。集団での活動の中で、子どもが安心して十分に自己を発揮できるような関わりが大切になってきます。

仲間意識

5・6歳になると、好き嫌いがはっきりしてきて、気の合った5・6人の仲間ができ、そのグループを中心にして鬼ごっこなどの集団遊びを楽しみます。遊びの中で仲間とのやりとりを通して、自分の欲求を無理やり通そうとするのではなく、仲間の考え方や意見を聞いたり、新たにルールをつくったりして遊びを発展させていきます。その過程でのトラブルも、大人に頼らず自分たちだけで解決出来るようになります。友だちと仲良く遊ぶだけでなく、時にはぶつかり合って心が傷つき、落ち込んだりとこれまでに味わったことのない感情も芽生え、人と人とを結ぶきっかけとなります。

嘘も人間関係の一つ、成長の証拠

子どもが嘘をつくと、親は大きなショックです。「きちんと善悪の区別を教えなくては」と深刻に考えます。しかし、考えてみれば<嘘=いけないこと>と言っても、相手を傷つけないための嘘、誰かをかばうための嘘など、大人は日常生活で使っています。子どもはそうした大人の嘘を普段から見聞きしているのでしょう。ある意味では、大人の人間関係を学んで成長した証拠と言えます。かといって、放っておくわけにもいきません。嘘をついたからこういう困ったことになったとか、誰かが悲しんだと言うような具体的な問題を話して聞かせてはどうでしょうか。なぜ嘘をついたのか、子どもの言い分を聞いてあげる等、余裕を持った態度で接してあげましょう。