保育環境
保育環境をどう理解し、どう設定するか・・・ |
保育環境とは・・・。
人や物、自然、社会、時間、空間すなわち人的環境、物的環境、自然・社会環境などその子どもが生きる世界すべてのことです。子どもは環境の中で、子ども同士でかかわり合い、保育者とかかわり合い、共に育ち合います。子どもが安心できる保育園で生活すること、経験することが十分な成長・発達の場となるのです。
●大切にしている環境
札幌北野保育園では、十分に遊べる環境、大人への信頼を深める育児の環境、いつも決まっている環境を大事にした保育を行っています。子どもが人として豊かに育つために、その基礎となる乳幼児期の環境や人との関わりを大切にした保育をしています。
●保育園の様々な環境
1.保育にかかわって、子どもたちが出会う、保育者を中心とした人的環境
2.園に用意されている、教材、遊具、絵本等などの物的環境
3.園をとりまく地域社会やそこに暮らす人々によって作り出される自然・社会環境
人的環境 |
乳児期の育児担当制
0・1歳児クラスでは育児担当制を取り入れています。これは、育児の部分(オムツ交換・食事・授乳・睡眠)は担当保育士が行うというものです。いつも世話をしてくれる大人が決まっているということは、まず子どもの情緒を安定させます。大人の優しい眼差しに見守られているから、困ったときはすぐにどうしてほしいか分かってもらえるし、助けてもらえます。ですから、担当制は子どもの内面を支えることにも適しています。
たてわり保育
乳児期の保育を経て、3・4・5歳児が一緒に過ごすたてわりクラスへと移行していきます。乳児期で人を信頼する気持ちをもち、子ども同士の関わりが多くなる幼児期では5歳児の子どもたちは人を助けることに喜びを感じ自身を身につけていきます。3・4歳児の子どもたちは優しくしてもらったことを受け、今度は自分が年長になったときに進んで助けたり、教えることができます。また、大きい子がやっていることを、じっと見て真似をして色々なことに挑戦し、子どもはどんどん成長していきます。そのような日々の中で自然と兄弟のような関係が出来てきます。
大人の関わり方~私たちが目指す保育~
私たちは、子どもたち一人ひとりが大切にされていると感じられる保育を目指しています。たくさんの愛情をうけ、大切にされた経験が大人を信頼できる人間、人の話に耳を傾けられる人間をつくっていくと思います。子どもは大人の仕草や態度で自分を大切にしてくれているかどうかをよく観察し、真似することによって、生きるために必要な力を身につけていきます。私たち、保育士は子どもへの話し方、接し方、眼差し、表情などを大切にしながら一人ひとりの子と丁重に関わっています。
はぐくもう、信頼感! 「○○ちゃん、ありがとう」とか「**ちゃん、助かったわ。また手伝ってね」などと、子どもにとって良いことを普通の調子で言ってあげれば、大人が自分を正しく評価してくれていると感じ、自分の良いところをしっかり見てくれている人に対して信頼感を持つようになります。 |
自分の頭で考え、行動できる子に・・・ 子どもが主体的に動けるようになるためには。日々の生活でのルールや決まりをわかりやすく見せていく必要があるのです。そこで、札幌北野保育園では、食事の座る席、お昼寝のベットの場所、生活の流れなどを決め、毎日繰り返すことで子どもたちが自分の頭で考えて行動ができるように、働きかけています。 |
物的環境 |
室内遊び
なぜ遊びが必要なの?
子どもが生きていく上で必要な力は、すべて子ども自身が自分の力を使うことによってのみ、発達させていくことができます。考えること、言葉を使うこと、人の話が聴けるようになること、集中して何かに取り組めること、想像すること、他人とうまく関わること、ルールを守ること・・・。遊びはこれらの力を上手に使っています。生きることに必要な力のほとんどが、幼児期の遊びの中で培われてると言っても過言ではありません。
十分に遊べる環境が大切
子どもたち一人ひとりの好きな遊びや、やりたいことはそれぞれ違います。子どもたちが室内で落ち着いて遊ぶためには、遊びのコーナー作りが必要です。子どもにとって遊びのきっかけになるものは、目に見える環境で、いつも決まった場所に決まった遊びが用意されていることが大切なのです。色々な遊びのコーナーがあることで、ここではどんな遊びをするのかということがわかり、今やりたい自分の好きな遊びを選択し、子どもが目的をもってその遊びに集中して取り組むことができます。
安らぎのある室内環境
子どもたちが一番安らぐことが出来る場所は、やはり自分の家です。その家庭生活の延長として、日々の園生活があります。子どもたちが長時間過ごす保育園も家庭の雰囲気に近い状況をつくることで、子どもたちが安心して過ごせる場所になります。札幌北野保育園では、一人ひとりが園で安心して過ごせるように、安らぎのある家庭的な室内空間作りを工夫しています。
戸外遊び
毎日、子どもたちは園庭で元気に身体を動かして遊んでいます。広い場所で身体を動かす楽しさ、気持ち良さを知り、心も身体も成長させたいと考えています。戸外遊びは、走り回って発散する活動、ダイナミックな活動、身体の大きな運動を助ける活動です。
【HAGSの外遊具(大)】 スウェーデンのHAGS社の遊具は限られたスペースの中に、すべり台やうんてい、ロッククライミングなど色々な機能があり、遊びながら子どもの成長を促すことができます。また、安全性を確保するよう設計がされています。(3・4・5歳児) |
【プール】 3歳児以上は屋上にあるプールで水遊びを楽しみます。プールドームがあるので、長い期間遊ぶことができます。小さいクラスはベランダにプールを置いて遊びます。 |
【木のやぐら・ログお山】 平成22年にのぼり棒とはしごも加わり、より楽しくなりました。ログお山は2歳児から少しずつ挑戦します。(2・3・4・5歳児) 【人工芝】 天然芝と見間違えるような人工芝は優れたクッション性で子どもたちを危険から守るとともに、鮮やかなグリーンがキープでき、砂ぼこりもたちません。 |
散歩から学ぶこと
子どもたちの経験や活動を豊かにし、日々の生活に楽しみや変化をもたらせるためには、園内という限られた範囲だけではなく、園外の様々な自然環境や社会環境に触れることが必要になってきます。自然と出会った時、子どもたちは「何だろう?」と立ち止まり、昆虫や植物を見たり、触れたり、遊んだりしながら自然に親しみを持ち、のびのびと過ごすことができます。さらに、保育者と一緒に自然と触れ合いながら、共感しあうことで自然に対する興味が一層膨らみます。また、園外を出た時には、交通ルールをしっかり知らせ、保育者が挨拶をする姿を見て子どもたちも挨拶をする姿が見られるようになりました。散歩に行くことで、心が豊かに育ち、社会的マナーが身についていくのです。