食に関する考え方
食から学ぶことがたくさんあります。 |
食育を広い意味でとらえ、多様な育みを進めます。
赤ちゃんには哺乳反射があったり、初めて出会うものをまず口に入れて試したり、確認したりします。これを見ればわかるように、私たちは「生きることは食べること」ということを本能的に、生まれたときから初めています。生きる営みの中で自然に「食べる」ことを学んできました。
しかし、現代の私たちを取り巻く「食」の事情は大きく変化し、不安や危険をはらんでいます。だからこそ生きる基本である食教育、すなわち「食育」が今、必要とされています。乳幼児期は食習慣を決める第一歩となる大切な時期です。保育者は、その大切な時期に子どもの「食」と向き合うことになります。保育者としての専門性に「食育」を加え、子どもたちの「職を営む力=生きる力」を育てることが大切です。
●元気な体をつくる
●心と人間性を育てる
●食の知識を増やし、食べるための技術や食べ物を選ぶ能力を育てる
●食ってなぁに?
子どもたちにとって、親が作ってくれた温かいごはんがならぶ家族そろっての食事は、「楽しく」「おいしい」ものです。「いただきます」の挨拶には、「命・愛情・努力」など、さまざまな尊いものをいただくことへの「感謝の気持ち」がこめられているのです。そのような思いを抱きながらも、「たくさんのことを教える」」のではなく「たくさんのことを一緒に感じられる喜びのある」食事の時間を過ごせるとよいですね。
●バランスのよい食事の大切さ
食事は、体を動かす大切なエネルギー源です。カルシウムが骨を強くしたり、ビタミンが風邪をひきにくくしてくれたりというように、様々な栄養素をとることが大切です。
心を育む食事(食育)
食育は生きるうえでの基本であって、頭と体と心を育てる基礎となるべきものです。そして、さまざまな経験を通じて「食」に関する知識と「食」を選択する力を習得し、健全な食生活を実践することのできる人間を育てることを言います。
国と地方公共団体が一体となり、全国で「食育」の大切さを広め、「食育」を推進していこうという動きがあります。保育園でも、子どもの「心」を育てるという視点で食事の時間をどう過ごすかを工夫しています。
「家庭のような食卓」づくり
保育園で長時間過ごす子どもたちが、少しでも安らげるよう、環境や関わり方を工夫します。まだ椅子に座ることのできない子は、保育士が膝に座らせ抱っこで食事をします。エプロンをつけ、手をふき、いただきますの挨拶をする、という一連の動作を、優しく声をかけながら、毎日同じように行うことで、子どもたちは「次に何をするか」ということを覚え、安心して過ごすことができます。
また、「自分で食べたい」という意欲が高まるよう、持ちやすいスプーンや、すくいやすいお皿など、意欲を伸ばせる食器を用い、できないところは手伝ってもらいながら、友だちと食事を楽しめるように少人数のテーブルで食べています。
食に関するさまざまな取り組みをしています。
●調理実習
お店やさんごっこの前日にクッキーを焼いたり、年長児では包丁やまな板を使い、炭で火をおこして調理するという調理の機会をつくっています。
●畑作り
2歳児、3・4・5歳児クラスでは、クラス毎に畑を持ち、子どもが主役となり作物を育てています。見事に実をつけると、苦手なものでも「おいしいね」と食べる子がたくさんいます。自分で作った食物には、愛情と食欲がわくようです。
●バイキング
幼児クラスでは、年に数回「バイキング」形式の食事をとる機会を作っています。いつもは一人ひとり決まった量が盛り付けられている食事ですが、大皿にたくさんの料理が盛られ、自分で取り分けて食事をとります。