保育内容
人間として育つための基礎を育む。 |
札幌北野保育園の保育
札幌北野保育園では「人間として育つための基礎を育む」ため、「人を育てるわらべうた」「質の良いおもちゃ」「質の良い絵本」を保育の中心に置いています。
人を育てるわたべうた-札幌北野保育園のわらべうた-
岩手県遠野のわらべうたには意味があって、「いつ」、「何のために」このうたを唄ってあげるのかということがとても整理されています。勝手に伝承を曲げてしまうと昔の親が子どもに何を伝えたかったのかがわからなくなってしまうので、変えずに伝えていくことが本当の「伝承」ととらえ、札幌北野保育園ではそれを「人を育てるわらべうた」として保育に取り入れています。
わらべうたとは
「わらべうた」は昔、一般庶民のことを「わらべ」といった時代に、子育て・人育てのためにつくられた唄です。誕生から、12歳頃までの子に、どの年齢ではどの唄を、と心と体の発達にあわせてつくられています。「閉じこもることもなく、人と一緒に生きていく人」をつくることがわらべ唄の目的の一つとしてあります。大人に心をひらき、安心して依存し、相手を求め、相手と話したい、心を通わせたいと思う気持ちを育てて遊んであげたのでした。
■主に活用する期間のわらべうたです。(画像をクリックすると詳細PDFをご覧いただけます)
子どもが豊かに成長発達していくためには、「遊び」がとても重要な役割を果たしています。大人は子どもに、いつも何かを教えたいと思っているのですが、子どもが「教えられている」と感じているときにはそれは伝わらず、子どもが「遊んでいる」と感じたときにのみ、その子のものになっていきます。「良い子育て」とは、子どもの遊びを豊かなものにしてあげることが大切と言えます。
●遊びのためのおもちゃ選び
子どもが良い遊びをしていくには、良いおもちゃが必要になります。3歳未満では、手首や指先などを使うおもちゃを用意することで運動機能を促します。3歳を過ぎた頃からは子どもの遊びを深めるような道具が必要になってきます。良いおもちゃというのは、大人も楽しく、子どもも楽しいという特徴があり、良いおもちゃを選ぶ目を養っていくことも大切なことと言えます。
■主に活用する期間のおもちゃです。(画像をクリックすると詳細PDFをご覧いただけます)
絵本には魅力がいっぱい。
親と子がよりそって絵本を一緒に読むことは、「お話を読んでもらったという喜びの記憶」と「楽しかったお話の記憶」の2つがお互いに『宝物』として心に残ります。絵本を優しい心地よい声で読んでもらっているとき、子どもはふだんどんなに厳しいお母さんでも、無条件に愛されていると実感します。一緒に心を開いてゆったりとした時間の中で心をこめて絵本を読む時間は、親にとっても子どもにとっても喜びのひとときなのです。
●絵本そのものは仮縫いの状態
絵本は、聴いている子どもと読んであげている親が一緒にお話を作っていく作業があって仕上がっていきます。耳から豊かな言葉が入って、絵を見ながら物語をどんどん膨らませていく・・・この作業が親と子どもの楽しい時間になっているのです。
●お話を一緒に楽しむことは大事なものを想像すること
実際体験できないこともお話の中では体験することができます。すぐれた絵本には、人間が人間であるために、いちばん大事な情緒と想像力と知恵が、いちばん単純で、いちばんわかりやすい、そしていちばんつかいやすい形でこめられています。絵と言葉の織りなす物語が、子どもの心に直接はたらきかけてくれるのです。
●短い子ども時代にしかできないこと
子ども時代は一生つづく脳の働きや感性が養われるいちばん大事な時代です。成長してしまってからでは決してとりもどすことのできない時代です。ですから、自然のなかで一緒に遊んだり、お話をしてあげたり、絵本を読んであげたりする時間はとても大切です。
●心を育てるすぐれた絵本を
読みつがれてきたすぐれた子どもの絵本は、それぞれに子どもの心に直接ひびく表現で人間について語り、様々な生活環境と人間のなかで子どもたちの育つさまを描いています。時代を超えて子どもたちを喜ばせ、読みつがれる本を選んであげたいのには理由があるのです。
絵本の世界を大人も楽しもう
子どもは絵本の世界を通して、様々なことを学んでいきます。絵本の世界=ファンタジーの世界でしか体験できないことを子どもたちは絵本に出てくる主人公と心を合わせ、現実の世界との間を上手に行き来する力があります。より絵本の世界を身近に感じられるように、大人たちが絵本の世界に入るきっかけを作ったり、常に子どもたちが今どのようなことに興味を持っているのかを敏感に感じとることが大切です。
●絵本のえらびかた
◆絵だけを見てもストーリーがしっかりとわかるもの。(想像力を膨らませるもの)
◆絵本年齢の高いもの。奥付を良く見て、何代にも渡り子どもたちに長く読みつがれているもの。
◆昔話絵本・・・いい絵本には作者がしっかりとかかれてある。(アニメ絵本や育児絵本は物語を伝えるのに十分でないものが多い)
年齢別・絵本紹介
Q&A
なぜ絵本が子どもの成長に必要なのですか?
絵本を読み聞かせることで、どんなことが期待できるのでしょう。
子どもは絵本を読んでもらっているとき、絵本の世界を、頭の中に思い描き、物語の主人公と一緒になって、旅をしています。大人と違って頭で読むのではなく、心で感じているのです。なにもかも忘れて、絵本の中に入り込み、夢中で楽しむことは、豊かな思考力や、想像力を自分のものにすることができます。この思考力や想像力は、子ども自身の人生をより豊かに生きる揺ぎ無い糧となります。絵本を通じて「あなたは、かけがえのない大切な子ども」と伝えられることで、子どもは自分自身の存在価値を素直に認められます。このことは、何のものにもかえがたい心の支えとなるでしょう。
同じ絵本ばかり読んでいてもいいのでしょうか?
いろいろな本を読んで欲しいのですが・・・。
大好きな1冊があるということは、素晴らしいことです。飽きることなく、何度も同じ絵本を楽しむのは、子どもの読書の特徴で、絵本に書いてある文章をまるごと覚えてしまう子もいます。それは、言葉に対する力や、話の展開を楽しむ力が身についた証拠です。くりかえし読むことで本の中に発見することが多くなりその本を通して、想像する世界も充実し明確になっていきます。読み手は大変ですが、できるだけ読んであげてください。
忙しくて、なかなか本を読んであげられないのですが・・・。
1冊の絵本は、5分か10分もあれば読み終えられるものがほとんどです。ですから、その気持ちさえあれば、絵本を読んであげる時間は、だれにでもいくらでも見つかると思います。そのひとときの時間は親と子の心の通い合う時間であり、親にとっても楽しい、親としての気持ちも満足させられる、とても意味のある時間だと思います。
自分一人で絵本を読めるようにしたのですが・・・。
字が読めるようになっても、大人が読んであげてください。幼い子どもたちにとっては、言葉も物語も目で追うことよりも、耳から聴くことのほうがはるかに、心にまっすぐ届くからです。
絵が地味だったり、一色で描かれている絵本より、
カラフルなもののほうがよいのでしょうか?
絵本の楽しさは「絵がきれい」だとか、「かわいい」、「文章が少ない」といったこととまったく関係がありません。もちろん色彩豊かで、明るい絵の絵本を子どもがよろこぶという見方もあります。でも、はじめは子どもの目をひくかもしれませんが、そんな表面的なことで、子どもは満足しません、子どもの目は大人よりはるかに鋭く、厳しいのです。たとえば、「いたずらきかんしゃちゅうちゅう」や「もりのなか」のさし絵は、黒一色ですが、子どもには圧倒的な人気があります。